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ライソゾーム病

ライソゾーム病とは

ライソゾーム病の原因

ライソゾーム病は、原因となる遺伝子が判明しています。
またほぼ全てのライソゾーム病で欠損している酵素が判明しています。

一部の施設では、新生児スクリーニングによる早期診断も導入されています。

ライソゾーム病の予後

ライソゾーム病は進行性の疾患です。
そのためできるだけ早い診断と治療が重要です。
幼児・小児が成長するにつれて、だんだんと症状が現れて悪化していきます。

治療法がない型の場合、神経や臓器が次第に悪くなります。
徐々に寝たきりになり、幼児期や小児期に死に至ります。

軽症型の場合、さまざまな治療により、病気の進行を遅らせることができます。
中には疾患のない人に近い生活を送ったり、健康な人とあまり変わらない寿命まで生きられるケースもあります。

ライソゾーム病の医療費助成

ライソゾーム病は、厚生労働省の定める「指定難病」です。
そのため、医療費助成制度の対象になります。
受けられる医療費助成は、病気の重症度や毎月の治療費によって異なります。
自分で申請する必要があり、都道府県などの地方自治体に申請します。
認定がおりると「医療受給者証」が交付され、医療費の助成が受けられます。

またライソゾーム病は介護保険が適用される特定疾病でもあります。
そのため40歳以上65歳未満の患者さんも、自分で申請することで介護保険サービスで助成を受けることができます。

ライソゾーム病の種類と症状

ライソゾーム病は、酵素が欠損している病気の総称です。
欠損している酵素によって病名や症状が異なります。
ここではその一部を紹介します。

ファブリー病

生まれつき「α-ガラクトシダーゼ A」と呼ばれる酵素が足りない疾患です。
全身の細胞に糖脂質が蓄積します。
症状やその程度は患者さんによって異なります。

症状としては、子どものときに手足の痛み、汗をかきにくい、発疹、心肥大、難聴などが現れます。
大人になってからも、心臓の病気、腎不全などが現れる場合があります。

ゴーシェ病

生まれつき「グルコセレブロシダーゼ」と呼ばれる酵素が足りない疾患です。
肝臓や脾臓、骨髄などに「グルコセレブロシド」という物質が過剰に蓄積してしまいます。

症状は、貧血、血小板減少症、肝臓や脾臓の腫大、眼球運動の異常、骨折しやすい、成長障害などが現れます。
全ての症状が出るとは限らず、患者さんによって症状も程度も異なります。

ポンペ病

生まれつき「酸性α-グルコシダーゼ」と呼ばれる酵素が足りない疾患です。
この酵素が足りないと、糖のひとつであるグリコーゲンの分解が十分にできず、全身に過剰に蓄積してしまいます。
特に筋肉、心臓、肝臓の細胞などに蓄積しやすいです。

筋肉の細胞にグリコーゲンがたまると細胞が傷つき、筋肉が正常に機能できなくなります。

症状やその程度は患者さんによって異なりますが、筋力の低下、発達の遅れ、心機能障害、呼吸困難などが症状として現れます。

ムコ多糖症

I型〜VI型の型があります。
生まれつき「ムコ多糖分解酵素」と呼ばれる物質のいずれかが足りない疾患です。
ムコ多糖が分解できず、全身の骨や筋肉、内臓などの組織にグリコサミノグリカンが蓄積します。

特徴的な顔つき、繰り返す中耳炎、臍や鼠経のヘルニア、精神発達の遅れなどが症状として見られます。

ライソゾーム病の介護にあたって4つの注意点

食事について

ライソゾーム病の食事は、ステージや分類によって大きく変化します。
分類による変化とは、例えばゴーシェ病の場合は口が開けにくくなるため、食べ物を細かく刻んだりペースト状にする必要があります。また酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症の場合は、息苦しさや肺炎が起こりやすいため、本人の様子をみながらゆっくりと食事を与えた方が良いでしょう。

衣服の着脱について

ライソゾーム病は初期の状態であれば、本人だけで衣服の着脱を行うことが可能な場合もあります。しかし、症状が進行するにつれてだんだんと出来ないことが増えていく病気です。今まで衣服の着脱が出来ていたからといって無理強いはさせず、サポートが必要そうであれば介助をしてあげましょう。

住環境について

ライソゾーム病の進行状態や分類によって、必要な住環境は異なります。共通していえることは、ライソゾーム病は治療を継続することで進行を遅らせることが可能な病気です。治療をできるだけ無理なく続けるために家庭や学校、職場など住環境や日常生活に治療を組み入れられるよう心がけましょう。

入浴・排泄について

ライソゾーム病は進行に伴い、神経系の症状が出る場合が多いです。例えば、今まで歩けていたのに歩けなくなった、座れていたのに座れなくなったなど、出来ていたものが出来なくなるケースも珍しくありません。
そのため、今まで排泄や入浴が普通に出来ていても突然介助が必要になる可能性もあります。一人ひとりの状態に合わせながら、適切なサポートを行いましょう。

ライソゾーム病は介護保険が適用されるの?

結論から申し上げますと、ライソゾーム病は特定疾病ではないため介護保険は適用されません。しかしライソゾーム病の場合、国が指定した難病のため18歳未満からサポートを受けることが可能です。訪問介護や医療費控除など医療費面から生活面まで幅広くサポートがうけられるため、そちらを利用するのが良いでしょう。注意点としては、18歳未満と18歳以上では受けられるサポートが異なるため事前に確認する必要があります。

【まとめ】本人と家族が抱え込まないことが大切

ライソゾーム病は若齢で発症することが多く、完治が難しい遺伝性の病気です。また今まで出来ていたことが出来なくなるという症状から、不安を抱える方も多いでしょう。

不安を少しでも解消するためには、正しい知識を身に着けることが大切です。ネットには誤った情報も多いため正しい知識を身に着けるには、医師や介護士などプロと相談するのがベストです。今の状態が分からないという人や、これからどうなるのか不安が大きいという人は訪問介護や介護施設も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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